【創作論】ミスリードの効果性と意外性
2023年1月17日『ミスリード』とはmisreadのカタカナ表記で、
『人の誤解を招く』と言う意味であり、『判断を誤らせる』や『人を欺く』などという意味の表現になります。
この記事は、創作におけるミスリードについて解説いたします。
まず、わかりやすい具体例をあげてみます。
≪例①≫
推理小説などで、
『 犯人っぽいやつがいる 』 ⇨ 「 そいつは犯人じゃなかった 」
= 意外性
≪例②≫
敵との戦いで、
敵『 私の必殺技に勝った者はいない 』 ⇨ 敵が主人公の必殺技で負ける
= 期待通り
≪例③≫
戦争に巻き込まれそうな兵士達が
『 ここは紛争地帯だが安全だ 』 ⇨ 敵が現われ大量虐殺を受ける
= ギャップ
主に、ミスリードの効果性は、この三つに分類されたりします。
これは、展開が本当に読めなかったパターンなどに該当します。
読者や視聴者の
『こうなるだろう』や『こうなるに違いない』を逆手にとり、違う結果を導き用意することによって、そんな展開があったのか!?
という『驚き』や『衝撃』を与えることができます。
このミスリードが上手くいった時は、痛快です。
逆に失敗すると、共感の枠から外れ、批判や批難を受けちゃったりするので、創ろうとしているものに、共感できる範囲の事なのか?
あるいは、共感できる土壌はできているのか? 納得できる仕掛けはできているのか?
何より、それを描く覚悟を持って執筆しているのか?
などが重要になります。
これは、展開が読める範囲の期待通りです。
1の例と類似していますが、展開を読める(読ませても良い)範囲として、作者が描いたときの事で、俗にいう、死亡フラグや、負けフラグなどがこれに属したりします。
具体的なテクニックとして、
最初は、主人公の目線や主観で描かれていたところから、
急に、敵の目線や、第三者のキャラクターの目線に変わり描かれていく瞬間があったりするアレです。
強い敵の攻撃に対して、
敵『この必殺技を受けたらお前は絶対死ぬ』
⇨ 主人公の必殺技を受けやられる
⇨ 期待通り主人公強い
となる訳です。
これは、敵の目線ですが、第三者の目線ですと、主人公の実力を知らない人が、強大な敵と戦う場面などで、
第三者『逃げた方がいいよ、絶対勝てないよ』
⇨ 主人公が戦い勝利する
⇨ 主人公強い、第三者驚き、凄い主人公かっこいい
となる訳です。
この第三者視点の客観描写は、初めて主人公の実力を知る場面などでは、効果的です。
読者は、主人公の実力を知っていて、内心
(さぁ期待に応えて、この第三者のキャラにかっこいいところ魅せて!)
と思いながら応援していると、期待通りにそれに応えてくれる主人公の姿は爽快でまさしく鉄板です。
キャラクターが、Aの事象が起きると思っていたら、
全く逆のBの事象が起きてしまった。という、キャラの逆転描写です。
読者サイドはなんとなく、『何かよくない事がおきそう』とハラハラしながら見ているような感じや『なにかいいことがきっとおきるよ』と応援するようなワクワク感を与える事ができます。
例⑵と類似しているかもですが、この逆転展開描写は、
安心させといて、地に落とす! だとか、
悲しませといて、思いっきり喜ばす! などは、
キャラクターそのものに、非道な障壁や、やっぱりよかったなどの感動を描くことができたりします。
ギャップがあることなので、キャラクターの内情の変化や、大きな感情の動きを描写でき、読んでいるサイドも物語の世界に入りこみやすくなり、強い共感を覚え、感動できるつくりになったりします。
嵐の前の静けさという言葉がまさにそうで、物語の重要部を大きく盛り上げることができます。